◆まえがき

友人のロードバイクのカラーデザインを担当しました。
実際に完成した自転車の紹介記事はこちらになります


さて、今回はその自転車のカラーデザインが決まるまでを、順を追ってまとめてみました。
基本的に自分用の備忘録なのですが、同じようにロードバイクのフレームをオーダーしたい方で「色選びどうすっかなぁ~」と悩んでいる方の参考になるように「着想の方法」→「デザインのまとめ方」→「デザイン実例」の流れをなるべく詳しく書きとどめておきます。
ボツ案はなぜボツにしたのか、そして完成したデザインと何が違ったのかも図や写真を含めて自分なりに分析していますので、何かしらの参考になれば幸いです。


◆ステップ0:依頼

確か2015年の8月か9月ごろだったと思いますが、高校時代からの友人D君がクロモリのロードバイクをオーダーメイドするという話をツーリングに行く道すがらの車中で話題に上げたのが始まりでした。
その話の中でD君から私に仕事としてオーダーするロードバイクのカラーデザインを頼むとすれば可能かどうかを聞かれました。

そもそも私は一応イラストレーター(兼グラフィッカー)なので、デザイナーというわけではありません。
もちろん最低限の知識はかじっていますが本職では無いですし…。
当然ですが自転車のカラーデザインなんてしたことありません。
なので「Why!?」と思うのも仕方ありませんぜ…。
完全に無知識な人がやるよりは多少マシなのは間違いない…とは思いますが…多分…(←今も自信ないw)

ということで断ろうかとも一瞬思ったのですが、私自体ロードバイクに関して市販のフレームのカラーリングがもう少しここがこうだったらなぁと思ったりすることがあったりします。
そしてその時に「じゃぁ自分だったらどうカラーリングする?」という妄想のような思索にふけることもありまして。
それに、やったことが無い事にチャレンジする割に今回の精神的ハードルはかなり低いんですよね(クライアントは友人なので、話もしやすい、お互い言いたい事もはっきり言いやすい)。
だったらやってみないのはもったいないと思ったわけです。

堅苦しい事言いましたが、まぁ普通に「面白そうだからやってみるかー」って感じですw


◆ステップ1:事前準備(ヒアリング)

さて、実際にカラーリングを決めていかなくちゃいかないわけですが、何はともあれ大まかな方向性を定めなければ行けません。
普段から絵を描かない人だと、いきなり色鉛筆を持って絵を描いて(今回の場合は図面に色を塗って)いくかもしれません。
それもいきなり細かい部分まで。
それは失敗の原因です。
まずはざっくり「言葉」でデザインしてしまいましょう。
そのほうが絵を描くより楽です。

私が考える絵やデザインの基本原則は「振り子」に例えられます。
まずは大きな振り幅で全周囲に方向を振ってみる。
そこからだんだん振り幅を狭くしていく=細かい部分詰めていく。
最後にピタリと静止させて、はい、完成! という感じ。

ところで、私が仕事にしているキャラクターイラストの執筆という業務は、大抵の場合「こういう髪の色と長さで、身長はどのくらいで~」みたいな具体的なオーダーがついてくるのがほとんどです。
いわゆる「仕様書」ってやつですね。

当たり前のことですが、自分の自由に描けるわけではありません。
(中には自由に描いて下さい的な依頼もありますけど、それとて最低限含めるべき要素ーー例えば世界観設定の共有やベースとなるコンセプトなどーーがあるわけです)
イラストレーターはあくまで「技術的もしくは時間的理由で絵の描けないクライアントに代わって絵を描き起こす」のが仕事ですからねー。
もちろんそういう規定の中で自分の持ち味を、「要素」として如何に織り込んでいくかというのが腕の見せ所なので楽しいわけですが…。

すみませんちょっと話が逸れました。
閑話休題。

それで、私らはその仕様書に沿ってイラストを書き起こすわけですが、今回の場合はその仕様書を自前で作らなければなりません。
先ほど「言葉でデザインする」と言いましたが、具体的にやってみましょう。
しばらくデザインで使う道具は、PCならキーボードだけです。

まずクライアントであるD君の好みを聞き出します。
この場合、別に自転車に関わる物である必要はありません。むしろそうではないほうが助かります。
例えば好きな動物だったり、車、スポーツ、アニメのキャラ、その他なんでも良いので好きな物を聞き出します。
多ければ良いというわけでもありませんので(数を上げることに必死になってしまいノイズが入る)、とりあえず10個程度に絞って上げてもらえるようにメールしました。

私の最初の仕事は、その10個の好きなものの中から共通して好きそうな要素を引き抜いていくことです。
例えば、その人が車はインプレッサが好きでサッカーが好きだとしたら、「スピード感」とか「スポーティーな感じ」、私はサッカーは詳しくないので例を上げておいてアレですが確か日本代表のユニフォームは青だからインプレッサのWRカーは青だしその人は「青色」が好きなのかなぁとか、とにかく「好みの核」となる要素を抽出していきます。

この時、核心を突いていなくても構わないと思います。
実はその人は別に青色が好きじゃなかったとしても構いません。
後で打ち合わせの時に青色の代わりに好きな色を聞き出せば良いだけの話なので。

必要なのは取っ掛かりとなるアウトラインをとりあえず削りだすこと。
揺れる振り子は不規則に、大きく。ざっくり。どんぶり勘定で。
例えるなら旅の目的地を北にするのか南にするのか、あるいは西か、東かと、おおまかな方向を決めるために、それぞれ「北にはどんな場所があってどんな美味しいものがあるんだろう? おっと西にはこんな名所があるんだな」みたいな事を調べる作業です。

ともかくも手がかりになりそうな要素を抽出し終えたら、今度はその要素の中から指針・方向性となるコンセプトを決めていきます。
先ほどの例えで続けるなら「北に行くなら北海道。南なら沖縄」とより具体的な事を決めるフェイズです。
これは当時の自分の予想だったのですが、今回はロードバイクなので、それも踏まえて「スピード感」みたいなものが上がってくるかもしれません。

と、思っていたのですが、ここまで書いておいてアレなんですけど、今回D君から送られてきたのがたった1枚。
それも極めて具体的なものでした。

それは・・・


「ダイ・ガードみたいな感じで!」
 
これな→(地球防衛企業ダイ・ガード:http://tamashii.jp/item/1568/




oh・・・



でっかい予想外DEATH。


いや、予想外ではなく予想の範囲内なのかこれは。
うんそういう人だよね君は。

細いクロモリフレームなのにマッチョなスーパーロボットをイメージしてデザインしろと!?
これは難題ですなぁ…。
ということで実際にやった作業の流れを追ってみましょう↓



◆ステップ2:第1次スーパーデザイン対戦Z(地獄編

予想外というかある意味では予想通りの回答を受けて、次に実際にカラーを配置して何パターンか叩き台を作ってみる作業に入ります。
また旅行のたとえ話で言うなら「北海道に行ったら最初は札幌で時計台に行って、次はどこそこに移動して~」とか、あるいは「青函トンネル経由で函館に最初に行ってから次に札幌まで足を伸ばして~」 みたいな具体的なプランを幾つか作ってみるような感じでしょうか。
最初に降り立つ場所がどこなのか、とりあえずいくつか検討するところから始まります。

ちなみに今回のコンセプトは「力強さ」とか「パワー感」や「重厚さ」といったものに決めました。
そのコンセプトをベースにしてまたいろんなパターンで振り子を揺らしてみましょう。

ここまでが「言葉でデザイン」する段階でした。
言葉で描くと楽ですよね。
なんとなくでいきなり絵で書くと方向性が曖昧だしすごく疲れてしまいます。
今この段階で今後検討すべきものが「力強さ」「パワー感」「重厚さ」といったものだということが明確になりました。
これで違うコンセプト(たとえば「軽快感」とか「キュートな」とか)の絵を描いたり色を塗ったりする無駄な労力を使わずに済みます


ところで、今回のように本当に極めて具体的なモチーフがあるのはある意味では作業がしやすいです。
配色・各カラーの比率などで答えが提示されていますので。
(その代わり振り幅が非常に限定されるので、いろんな方向性を試す機会は今回は無かったです・・・) 

ただ、先ほどステップ1の最後で書いたとおり、今回の自転車自体は細身のクロモリフレームであり、今の主流であるカーボンフレームに比べて面積が比較的少ないんですよね…。 
各チューブやステー(つまりパイプ部分)が細いから。
しかもパイプが完全に円柱形状なので、カーボンフレームみたいに「面」というものが無い…。 
これに対してダイ・ガードのイメージってスーパーロボットで重厚なイメージなので、分かりやすく言うと「細身の人間をマッチョに見せて下さい」ってオーダーなんですわ(;´Д`)

そうなると解決方法として一番効果的なのは各パイプを単色にして、各パイプの組み合わせで表現するという方法かなーと思いました。
各パイプを単色にすることで最大限色の面積を確保すれば各色の印象をできるだけ強くできるかなと思います。
 今回使う色は黒にしても赤にしても「重い」印象の色なので、各色の印象が強くなれば自然と「重厚」なイメージが形成されるはずです。
 
とりあえずやってみましょう。
ここからようやく実際に色鉛筆なりマーカーなりで図面に色を塗っていく段階になります。
私の場合は作業はフォトショとかSAIでやるので(完全にデジタル)、紙に塗るより断然楽です。

デザインに入る前にこの作業では前提として私のカラーデザインのやり方、自分なりのセオリーに従います。
ご参考までに↓

(1)メインカラー・サブカラー・アクセントカラーを決める。
(2)コントロール出来ない色は使わない。

(1)はデザインの本なら大抵触れているような事なのですが。
まずはメインカラーを6割、サブカラー3割、アクセントカラーに1割程度の比率を基本にしてみてはいかがでしょうか。
その後バランスを見てケースバイケースで比率は変更していきます。
服のコーディネートと同じ事なので、大抵の人が無意識にやっていることかと思います。

ただ、(2)に関しては自分の経験から学んだことですのでちょっと説明を。
「コントロールできる色って何?」と思われるかもしれませんが、つまり「この位置にこの面積でこの色を置くことによってどういう意味合い・印象を与えることになるか ”理解して” 色を置く」ということです。
たとえば「空白があって寂しいので色を置いてみた」や「暗い色ばかりなので(なんとなく)派手な色を置いてみた」というのは個人的には美しく無いと考えています。
中には天性の感で何となくでも素晴らしい配色ができる方が居ますが、私らみたいな平凡な感性の人は真似しない方が無難です(^_^;)
たとえば「空白」が気になるなら空白をデザインに取り入れましょう(疎と密のメリハリをつける)。
たとえば色が暗いと思うなら、そもそも選んだ色を変えるか、よく考えた上でワンポイントで派手な色を使いましょう。

話が逸れますが、私のイラストや同人誌のデザインを見て頂ければお気づきになるかもですけど、あまり多くの色を使っていません。
使う色数は毎回意図的に少なくしています。
専門学校時代、カラフルな色彩で書いていた時期があったのですが、先生に「おもちゃみたい」って言われちゃって(´;ω;`)
今ではそのアドバイスが良く理解できます。
配色のバランスとかも何も考えてなかったからでしょうねぇ。
ということでもっとカラフルにすることは出来ますけど、その色と配置全てにデザイン的意味を持たせて印象をコントロールすることは今の自分でも難しいですし、(現時点では)私の絵のスタイルには合わないのかなぁと考えています。
なのでカラフルな絵を描ける人はすごいなぁといつも思います。

さて、話を戻しましょう。
今回モチーフとするダイ・ガードの配色は「黒」「赤」「銀」「金」の4色です。
この内、面積的には「黒」と「赤」は同程度なんですが、メインカラーは「赤」にしました。
理由は「パワー感」を表現するのに適するからです。
黒も「力強さ」を表すには適する色だとは思うのですが、どちらかと言うと静的な力強さを感じます。
逆に赤色は動的な力強さを感じるかなと思ったので。
ということでメインカラーを「赤」、サブカラーを「黒」アクセントカラーを「金」にしました。
「銀」に関してはコンポーネント(ギアとかチェーンとかペダルとか)が元々銀色なので、面積の変えようが無いので除外します。
除外してはいますが、当然銀色の位置や面積は考慮しなければなりません。コレばかりは変えようがないので足を引っ張る要因ですがそこをうまく整えるのも腕の見せ所でしょうか。 
あとは今回はサドルバッグとフロントバッグ装備が前提のツーリング車的な自転車なので、それを踏まえてのデザインになります。


ここまで長くなりましたが、実際にデザインしてみました↓



モチーフが固定されているため、同じような振り幅になってしまいがちですが、その中で色々と試しています。

今回は重厚さと同時に如何に「力強さ」を出すかということで、メインカラーの「赤」をつかって、動きを表現するために色々とやってみました。
1つずつ見ていきましょう。 






(1)は最初にデザインしたものです。
肉食獣が走り始める瞬間にグッと力を溜め込んだイメージです。
(2)は逆に肉食獣が全力疾走中に踏み込んだ脚を蹴り上げきって体が伸びきった時のようなイメージです。
分かりにくいかもしれないのでもっと単純な図で説明しましょう↓



・・・お前ホントに絵かきか…?w

このように上か下かに弓なりにしなった力をデザインに取り入れたかったんです。
(1)が上にしなったもの(2)が下にしなったものになります。

また、(1b)と(2b)に関してはそれぞれバリエーションとして作ってみました。



若干スポーティーなイメージにならないかなぁと思ったのでやってみました。
ラインを入れると動きが出てきます。
一応こういう動きにそってラインは入れました。



力の方向とか流れを視覚的に表現したかったので、可能な限り車軸を中心にした円に沿って入れています。
他にポイントとしては線は、それぞれ延長していくとタイヤの外周のラインと合流するようにデザインしています。
(※(1b)の緑の線と青の線、(2b)の黄色い線) 



(3)と(4)はとりあえず作ってみた感じなのですが、はっきり言って失敗です(^_^;)
色をコントロールできていません。
ですが、一応候補に入れておきます。
仮にどこか一部分でも気に入ってもらえるポイントがあればそこだけ採用することも可能ですからねー(※後述)。

ちなみに殆どの案でヘッドチューブのラグを金色にしているのは、ここがスーパーロボットで言うところの胸部のエンブレムに相当する部分かなと思ったので。
実際、大半のロードバイクはここにメーカーのエンブレムが描かれていますよね。
今回の場合はエコーさんのエンブレムがヘッドチューブの真ん中(金色と金色の中間)に入ることになるので、ロゴの額縁的な役割も持たせています。

ともあれ一応、叩き台としてのデザインを6案作りました。
ここまでがイラストで言うと「ラフを切る」作業ですね。
あまり多く作りすぎても迷うだけなので、とりあえずこのくらいの量で。
これを元に方向性を検討すべくクライアントと打ち合わせをすることにしましょう。
一応予定としてはこの中からD君にいくつか選んでもらって、方向性を決めたら再びデザインを何パターンか起こすつもりです。
そういう意味では「ラフ」の前の「大ラフを切る」段階でしょうか。
(※私は普段イラストを描く時に「大ラフ」→「ラフ」→「下書き」→「線画」→「彩色」の流れで作業しています)

しかし、今回はモチーフが明確に固定されている分、デザインの幅が限定されてしまうのでどれも似たり寄ったりになっちゃいましたね(^_^;)
苦労しました。


◆ステップ3:打ち合わせ

さて、上記の6点のデザイン素案を持ってD君との打ち合わせです。
打ち合わせの結果から言えば(2)と(2b)の2つに絞られました。
では他がボツになった理由を考えましょう。
以下で列挙するボツ理由はD君との話し合いの中で私が説明した事プラスその場で気づいた理由です。

まず(3)と(4)は金色が多すぎてだらしねぇので没になりました。
やっぱりな♂ ゲ●パレス♂
提案しといてなんですが、私もコレは「ま、これは無いな!」と思っていたのでw (^_^;)
ただまぁ、結果的にこれらが単純に無かった事にはならなかったのですが…(※後述)

で、次に「スピード感」と「重厚さ」のどちらを取るかという点でD君は「重厚さ」を優先とのことで、自主的に(1b)と(2b)はボツにしました。
各チューブやステーに動きのあるグラフィックを入れていたので動きがありすぎ。

残るは(1)と(2)です。
ここで私の屁理屈タイムが始まりますw
まぁ屁理屈は言いすぎですが、自分の中で(1)のデザインに対して「なんでこんなに気持ちよくないんだろう?」と思っていたのでその原因を見つけようとその場であれこれ考えたわけです。

そもそも今回のデザインの骨子として私の中では「前から後ろに向かって一本の流れを作る」ことでパワー感を出したいと思っていました(私は「パワーライン」とカッコつけて呼んでいましたw)。
そして前述したように肉食獣が走り出す前の「グッと力を溜めたイメージ」で(1)を考えたわけですが、
これがどうもロードバイクのデザインとしてはマッチングしてない気がしてきました。
「グッと力を溜める」ということは「止まった状態から走り出す」状態なわけで、ロードバイクは使う上で基本的に「スピードを出して走行している状態」がメインだと考えるとイマイチ。
具体的に理由を考えてみました。


まず、リアの車軸からヘッドパーツまで直線を引いてみました。
線の上と下で色を見た時にどうにも上下のバランスが気持ちよくない。
上と下で黒色の面積が均等な感じになってしまっています。


逆に(2)の方は下半分に赤色、上半分に黒色が集中しています。私はこの方がメリハリが出て気持ちよく感じました。
パワーラインとなる赤色が下半身を支え、黒を上に集めることで上半身をブラックアウトさせることでパワーラインを目立たせることができていると感じました。
あとは線を挟んで対称な位置に銀色(シートポストとクランク)が来ているのでこの部分が引っ張り合うような良い緊張感が出ていると思います。


また、(1)は前述のように「グッと力を溜めた」イメージでデザインしたため、力の流れを意図的にクランクに戻すような配色になっていて、力の向きが最終的に逆方向になってしまっているのが原因かなぁと思われます。


(2)は力の流れを妨げていないというか、フロントフォークから始まった力のラインがクランクを経てリアエンドへ前から後ろに綺麗に流れきっています。
そして踏んだ時にしなる力のイメージを感じます。


ということで、(2)のデザインが採用になりました。
結果的に駆動力を伝達する部分に赤色を配置して、あとの部分はブラックアウトさせた感じですね。
自転車の構造、力の向き、走る方向、それらを視覚化したデザインにまとまりつつあります。

ただ、現在のままだと金色が前だけしか無くてデザイン的な緊張感が足りません。
ということでヘッドチューブから最も遠い部分、つまりリアエンドに金色を配置することにしました。
そこで先ほど真っ先にボツになった(3)と(4)が役に立つわけですw
打ち合わせ自体はファミレスでデザインを印刷した紙を使ってやっていたので、紙を切り貼りしてデザインを検討します。
すごくアナログなやりかたですねw けっこう楽しい。
ただ、結局その場では清書できないためリアエンドに金色を置く方向でという流れで一度打ち合わせは終了となりました。


◆ステップ4:「力の向き」を考える

打ち合わせ後、自宅に帰ってデザインを調整しました。
リアエンドに金色を置くと言葉で言えば簡単ですが、バランスが難しい…。
実際に出た案は以下2案↓




(a)はラグだけを金色にしたパターンです。
(b)は各ステーの端部分まで金色を配置してみました。

ただ、(a)だと面積が小さいためリアディレイラーの影に隠れて見えなくなる可能性があります。
なので話し合った結果(b)案が採用されました。
ステーまで金色を伸ばすにあたって、単純にパイプの円周方向にすっぱりと塗り分けただけではカッコ悪いので端の部分は斜めにしました。
あえて斜めにしたのにはもう一つ意図があって、赤色で表現した力の流れに明確な方向性を持たせたかったからです。
またしても図で説明しましょう。


ただの「線」と「矢印」、どちらが流れを感じますか?
当然「矢印」ですよね。
金色部分を斜めにすることで、後ろに引っ張られる流れが感じられるようになります。
これで「前から後ろへ」1つの力の流れを導くデザインが完成しました。
ちょうど先ほど力の流れの説明で使った図のように矢印的要素が入ったことで力が明確に流れていくイメージに仕上がりました。


ついでにヘッドのラグとリアエンドのラグの金色がお互いに引っ張り合う位置になるので図のような力の緊張感も生まれます。


これをクライアントのD君にみせて、ダメだったら別デザインを考えなきゃなぁとおもっていたのですが、結果的にこのデザインでOKをもらい無事にお仕事終了ですε-(´∀`*)ホッ


◆あとがき

ロードバイクのカラーデザインという私にとって未知の領域のお仕事だったので、難しかったですが非常にワクワクしながら制作することができました。
長くなってしまいましたが、この記事の内容がもし誰かのお役に立てば嬉しいです。


その他実際に塗る色選びに関しての事とかは完成車の紹介記事のほうで紹介しています。
 

実際に完成した自転車の写真はこちら