アーロンチェアの箱
撮影した写真をみていて、巨大で重たい箱で届いたのを思い出しました。単体25kgの椅子ですからね…w


ハーマンミラー社の「アーロンチェア」といえば、
デスクワークをする人間なら一度は聞いたことがある名前でしょう。
腰痛に悩まされるデスクワーカーの強い味方として不動の地位にある高級チェアです。

私がそんなアーロンチェアを使い始めて1年が経過しました。
後述しますがこのたび修理サービスを受けることになったので、
この機会に1年間使用してみて気づいた事や分かった事を自分なりにまとめてみたいと思います。
これからアーロンチェアを購入しようと検討されている方や、
「アーロンチェア」って実際どうなの? と思われている方のお役に立てば嬉しいです。

なお、椅子自体の個体の差による部分もあるかと思いますので、
あくまでも私の使用している個体ではという前提の元でレビューを見て頂ければと思います。

◆その1:腰痛が「治る」わけではない。
私がアーロンチェアを購入するきっかけとなったのは、
一昨年末にぎっくり腰を数回やってしまった事が要因です。
従って、ぎっくり腰がひどい状況からアーロンチェアを使い始めました。

当たり前ですが、椅子をアーロンチェアに替えたからといって、
腰痛が治癒するわけではありませんでした。
ただ、治癒はしないもののそれ以上悪化することは確実に防いでくれていると思います。
この一年間、腰痛治療のために日頃から筋トレとストレッチを心がけていましたが、
今までは治癒速度より悪化速度のほうが早くていつまでも痛かった腰痛が、
アーロンチェアが悪化を最小限に抑えてくれたおかげで、
少しずつ、しかし確実に改善しています。

また、意識改善という点でも効いたと思います。
私はポスチャーフィット版を使用していますが、
この効果を得るために座面に深く座って背もたれにしっかりと背中を沿わせる必要があります。
なので使い始め当初から座る時に「深く腰掛けよう」という意識が生まれ、
それが習慣化したことで座る姿勢が良くなりました。
他の椅子に座る時も姿勢よく座る癖がついたので、
外出時などでも今までより楽に座ることができています。

◆その2:座面が硬い。
アーロンチェアの座面と背もたれはペリクルというメッシュ素材でできています。
購入にあたって試座しに行くまで想像がつきませんでしたが、
想像以上に硬い座り心地でした。
もっとハンモック的にフカフカしたものを想像していたので意外でした。
(考えてみれば柔らかい座り心地の椅子って大抵腰に悪いですもんね)
購入して2ヶ月ほどはあまりの固さに腰よりも先に尻が悲鳴をあげていました。
痛くなったり痺れたり大変です。
ただ、今は慣れてしまったのと、ある程度メッシュ生地が馴染んできたからか、
快適に座れています。最初は我慢といったところですね。

◆その3:夏は涼しく、冬は寒い。
メッシュ素材ということで当然通気性が良いです。
夏は蒸れずにとても快適です。
必要なら座面の下からサーキュレータみたいなもので送風してやれば、
かなり快適に作業に集中できます。

ただしこの通気性は諸刃の剣。
冬はとてもとても寒いですorz
対策としては私も多くのユーザーと同じように毛布を背もたれと座面に掛けて使用しています。
これでかなり緩和されますし、ある程度薄い毛布なら座り心地も変わりません。

◆その4:前傾チルトは(個人的に)不要だった。
アーロンチェアをオフィスチェアの不動の地位たらしめている機構の1つが前傾チルトでしょう。
これは文字通り座面を前下りに傾けることができる機能です(角度は任意に決められません)。
私も購入前に色々と情報を見ていたのですが、
やはり前傾チルトの素晴らしさを語っているユーザーはとても多かったですね。
私もご多分に漏れず前傾チルト機構の付いたフル装備モデルを購入しました。
(ちなみに前傾チルトやアームレストが省略された「ライト」と呼ばれる廉価モデルも有ります)

残念ながら、いざ使ってみると私の作業環境では前傾チルトは不要でした。
使っている机の関係で、座高を一番低くした状態で使っているのですが、
前傾させると脚が窮屈になっちゃって…。
なので、前傾チルトを使うならある程度座高を高めにした状態で使えるように机などの高さも
考えないといけないことになったりします。
もっとも、これに関しては仕様環境プラス体格とかもあるので一概には言えない事ですね。
上記は参考までに。
ただ、次に買うことがあるとすればアーロンチェア・ライトを確実に候補に入れると思います。 

◆その5:アームレストが個人的にイマイチだった。
これは好みの分かれる部分ではあるのですが、
私はアームレストのスイング機構が気に入りませんでした。
アーロンチェアのアームレストはまっすぐ(正面向き)の位置から、
内側と外側にそれぞれ1段ずつ角度を変更することができるのですが、
それぞれの角度にするのはただその方向へ押してやれば「カクン」と変わります。
そんな感じなので立ち上がる時などに体があたって意図せず角度が変わってしまうんですよね…。
個人的にこれが非常に鬱陶しいので正直ロック機構がほしいなぁと思いました。

◆その6:品質について。
冒頭で触れたように、今回アーロンチェアを修理に出すことになりました。
工業製品なので 品質にバラつきがあるのは仕方がないことですが、
多分この椅子には当たり外れがあります。 
実は購入した当初から色々な部分がガタついたりしていたので気になってはいたんですよね。
ただまぁネットでもリクライニング時にギーギーと音がするとか、
そういった情報があったので私も「まぁこんなものか…」と諦めていました。
ところが、昨年友人のお宅にお邪魔した時に座らせてもらったアーロンチェアは、
可動部分がほとんど無音でガタつきも無かったんですよね。
それで自宅に戻って「これってやっぱ初期不良なのか?」と思うようになりました。

ちなみに私のアーロンチェアの主な症状は以下のとおり。
(1):座面がガタガタと上下に動く(遊びにしては大きすぎ)。
(2):リクライニングがギーギーうるさい。
(3):ガスシリンダーと本体の接合部分がガタつく。
(4):数カ月後から何か金属片が床に落下するようになった。

ただ、修理に出すとしてもその間椅子がなくなると仕事で困るので、
忙しさを理由に暫く修理依頼を出していませんでした。
でも金属片まで落ちてくるのは明らかにおかしいからさすがにまずいと思い、
このたび修理依頼を出しました。

このあたりの症状を含めて詳細については修理が終わってからまとめたいと思います。

◆その7:価格と価値
結論から言うと購入して満足しています。
ただ、その価値はしばらくの間使用し続けてみないと解らないと思います。
販売店でちょっと試座しただけでは、その価値に気が付きにくいかな、と。
「アーロンチェア」というブランド品的なイメージがバイアスとしてかかってしまうので、
座った瞬間「やっぱ他の椅子と違うわー」って思っちゃうかもしれませんが、
それは多分幻想です。私が思うにそこにこの椅子の真の価値は無いです。
私ははっきり言って見た目と座り心地の第一印象は「これで19万?」って思いました。
特に私の買ったアルミポリッシュ仕様は。銀ピカで安っぽく見えるんですよねorz
(本革のアームレストが欲しかったのでフレームの色は割りきった結果ですが…)
※なおハーマンミラーのオンラインストアで買う場合は素材の組み合わせは自由みたいです。
問題は納期が10週間以上という事ですが…(;´Д`)

とはいえ、長く座り続ける事でしかわからない「そういえば最近腰が痛くないな…?」
という性能はもはや魔法と言っても良いくらいだと思います。
加えて12年もの保証期間という付加価値が大きいかと思います。
(ただし、この保証の内容は今回の修理内容(無償か有償か)で改めて評価したいと思います)
でも普通に考えてお得だと思いますけどね。
特に我々のような寝ている時間以外はずっと座っている人間にとっては。
ケチってイマイチな椅子を数年のローテーションで買い換えるよりずっと良いと思います。
だってベッドで寝ているより多くの時間を椅子に座っているわけですから…(^_^;)
寝具より椅子に金を賭ける方がQOLを考えると効果的だと私は思っています。


という感じでアーロンチェアのレビュー的なものをまとめてみました。
しばらく先になると思いますが、修理後に「アーロンチェア・修理編」ということで、
修理の依頼方法から修理内容・かかかった費用などをまとめた記事を書きたいと思います。


(追記)
『アーロンチェア・修理編』はこちら↓
http://www.arteporto.net/archives/58834034.html




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